フレンチトースト訴訟

父ちゃん大法廷に立つ(計画)



国立公文書館(2)

続きです。

 

この頃の資料は手書きのものが多いです。条文の審査過程で入る添削メモが残っていますが、これらは手書きです。

 

ここで難関にぶち当たります。

 

書かれた文字が達筆すぎて読めないのです。くずし字解読アプリを通しても判別できません。

そのため、果敢に「まいっか」作戦を遂行します。

 

内閣法制局の審査過程で参事官用に作られた資料がありました。寡夫という字の正当性とか、条文構成などの考え方が書いてあります。そこには、寡婦控除と寡夫控除の比較表が手書きで書いてあり、所得要件のところに青鉛筆で下線が引いてあります。そして読めないメモが書き込まれています。


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◯◯◯◯説明 「男女平等」ぶ◯◯◯◯◯◯

 

なんか、大事なことが書いてあるような気がします。でも読めません。一応、何人かに見てもらいましたが、読める人はいませんでした。

 

となれば、こうするまでです。

 

 

 

「まいっか」

国立公文書館(1)

行政文書開示請求の結果は

 

「ない」とのことでした。

 

ない理由は、公文書館に移管したからだそうです。

 

ということは、公文書館に行けば見られるということになります。

 

ということで、行ってまいりました。国立公文書館

 

イベントとして温泉に関する文献の展示会をやってました。興味はそそられますが、私の目的は違います。

 

二階の閲覧室に入り、閲覧請求をして待っていると、出てまいりました。

 

おおー

 

主税局作成の「部内限」資料です。コンフィデンシャルですよ。ワクワクします。

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国立国会図書館ではコピー1枚が15円ですけど、国立公文書館はなんと150円もします。しかも1ヶ月かかるとか。

でも、写真は撮り放題なんです。これは撮るしかありませんので、撮りまくりました。

 

主税局の作成した部内限定資料の中に

寡夫控除制度の考え方」というページがありました。

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結局、父子世帯の所得要件は、財政事情によるものということのようです。

 

他に見つけた資料もありますが、

 

一旦区切ります。

行政文書開示請求

法律を作るときに、誤字や脱字がないかとか、お作法に反してないかとか、語句が適切かなど、チェックする部署があります。

 

それが内閣法制局です。

 

そこでのチェックでは、勿論、憲法に違反していないかどうかも審査すると聞いています。

 

できてしまった法律は裁判所がチェックするけど、できる前は内閣法制局がチェックするわけですね。

 

寡夫控除制度も、この内閣法制局の厳しいチェックを受けたはずなので、うっかり違憲な法律を作っちゃったということはありえないはずです。

 

となれば、この内閣法制局の審査は審査録として保管されているのではないかと思いました。であれば、審査録を開示請求してみましょう。

 

black sakurahappy の出現以来、activeになっているので、ちょちょいと行政文書開示請求をしてみました。手繰れる糸は、糸が切れるまで手繰り寄せちゃいましょう。

 

結果は、1ヶ月以内に来るそうなので、のんびり待ちましょう。

 

なんか上級者になった感じがします。

 

いったいどんなものが出てくるんでしょうか?まさか、昔のことなので破棄しましたなんて悲しい事はないと思いますが、出したくないのであれば、出てこないかもしれません。なぜなら基本保存期間の30年は過ぎてますからね。

フレンチトースト訴訟

裁判は訴訟番号というのがついています。例えば 昭和55年(行ツ)第15号とかですね。これでピンとくる人もいるでしょうが、一般の人は何の裁判かわかりません。

でも有名な裁判には、マスコミが勝手に名前をつけます。砂川訴訟だとかサラリーマン税金訴訟だとかですね。(マスコミじゃないかもしれません。)

 

で、思ったんですけど、モチベーションを上げるためにも、自分の訴訟に名前をつけちゃおうと考えました。普通に考えたら寡夫控除訴訟になるでしょうが、味気ないですよね。

 

(ここから、いよいよおバカな発表です。)

 

そこで考えたのが、フレンチトースト訴訟です。寡夫控除創設当時、日本で公開され父子家庭を描いた映画「クレイマークレイマー」の最重要アイテムであるフレンチトーストを頂きました。今風にフレトー訴訟でもいいんですが、フレトーだとスイーツ系のエレメントが強すぎるし、クレイマークレイマーが連想できないのでフレンチトースト訴訟にします。でもフレトー訴訟も可です。

 

なんか、この名前だとメイクドラマできそうな感じがしませんか?

 

知らない人が聞いたら、フレンチトーストの奪い合いが原因で起きた殺人事件かなにかかと思うかもしれませんが。

 

 

昭和56年頃

ちょっと回想します。(脱線とも言います。)

 

寡夫控除が創設された当時、私は中学生でした。静岡の田舎町で、毎日トランペットを吹いていましたね。うちは父子家庭でした(遺伝か?)けど、貧困という事はなかったです。父は普通の会社員でしたね。トランペットに夢中になる息子に、Bach(トランペットのメーカーでバックと読みます)を買ってあげたぐらいですから。とはいえ、親の年収は聞いたことがないので、寡夫控除の該当者かどうかは知りません。

 

今、当時の資料を紐解いていくと、脳裏に転がる記憶の破片が舞い上がります。

大平総理大臣が亡くなったのもこの頃でしたね。黙祷する時に、知らずにラッパを吹いてて叱られました。

この頃、アカデミー賞の映画「クレイマークレイマー」が日本で公開されています。シングルファザーが話題になってた時代でもあります。

昭和55年にサラリーマン税金訴訟が上告されてますね。判決は昭和60年ですから、かぶってますね。最高裁判所の裁判官は、巷でやいのやいのやってる寡夫控除制度について耳にしながら裁判をしていたのでしょう。

 

授業では日本国憲法を学びましたね。社会科の先生に憲法の前文を暗唱するようにという宿題をもらい、必死になって覚えたものです。

定期考査の答案用紙に「違憲立法審査権」と書いた記憶があります。まさか、自分に関係してくるとは思いもしませんでしたけど。

 

 

思い出してたら、おバカな事を考えつきました。それを発表するかどうかは1日考えます。

最初は父子世帯控除

請願から寡夫控除を検討することになり、まずは担当省庁である厚生省にバトンが渡されます。

厚生省が当時出した税制改正に関する意見書を見つけました。この時は寡夫控除ではなく父子世帯控除の創設になっています。ここで、死別で扶養親族がいない男性と、離別・死別後に子ではない扶養親族がいる男性は除外されました。

そしてこの父子世帯控除の原案には所得要件がありませんでした。

 

大事な事なので二度書きます。

父子世帯控除の原案には所得要件がありませんでした。

 

道がそれるのは、この先です。

請願を分析

国会図書館で、衆議院に提出された請願と審査結果の資料をかき集めました。

意外と面白いことがわかってきました。

父子家庭の会が提出している請願もありますが、それ以外がほとんどで、男世帯はお金がかかるから控除を認めて欲しいというような内容でした。父子家庭を助けてという請願ではありません。

各請願には紹介議員というのが書いてあって、与党、野党、どちらもありました。勿論、只松議員のもあります。

 

不思議なのは請願を出してる人は、神戸の人ばかりだということ。なんかあるのかな。当時、神戸市で一大寡夫控除ブームが起きていたようです。

請願した人の住所はわかるので、コンタクトを取ってみましょうかね。40年前の住所ですけど。