なぜ自分がやるのか
この控除が認められないと生きていけないのか、と言われればそんな事はありません。
『男なのにせこい』『我慢が足りない』とかいう意見もあると思います。
私の推進力となっているのは、正義感と義務感です。
はっきり言って、勝訴したところで戻ってくる金額はたいした事はありません。それより、時間と手間とお金がかかります。リスクがあるのにローリターンだったら、誰もやらないと思います。
それでも、これは放っておけないと思いました。
女性差別だけでなく男性差別もなくしてこそ、男女平等だと思います。
影響は大きくないかもしれませんが、税制面で父親側は不利になるので、親権を争った場合に影響が出てくる事もあるでしょう。
単純に税負担の公平性を考えたら、ひとり親になった時だけ性差別があるのは理不尽です。
ひとり親家庭では、親の経済力が子どもの福祉に大きく影響しますが、子どもの立場から見たら、親の性別によって不利益を被るなど、あってはならない事だと思います。
とはいえ、誰もやらないのです。
日本の裁判制度上、損害を受けている当事者しか訴えることができません。この件では訴える事ができるのは比較的収入の多いシングルファザーだけです。日本には約22万の父子家庭がありますが、父子家庭の平均年収が約450万円ということを考えると、当件に該当する世帯は1万もないかもしれません。その中には寡夫控除なんて知らない父親も大勢いるでしょう。知っていても我慢したり、諦めていたりする父親も大勢いるのでしょう。
ただでさえ忙しい父子家庭で、貴重なお金を費やし、勝てるかどうかもわからないし、法律のスキルも必要となったら、誰もやりたがらないでしょう。
誰もやらないのなら・・・
『しょうがない、私がやるか』
正義感と義務感とカッコ良さそうな事を書きましたが、結局、損得勘定のできないおバカさんが、駆り立てられてしまったって事ですね。