フレンチトースト訴訟

父ちゃん大法廷に立つ(計画)



求釈明申立書

控訴審第1回口頭弁論の2日前に私の提出した求釈明申立書を載せます。

 

平成30年(行コ)第250号 課税処分取消請求控訴事件

控訴人 sakurahappy

被控訴人 川 崎 市

 

求 釈 明 申 立 書

 

 

 

控訴人は,答弁書に対する認否や反論を行う上で,答弁書に不明瞭な点があり,審理を促進する観点からも以下の点について求釈明を申し立てる。

本控訴事件では,所得が500万円を超える母子世帯の母親が,同父子世帯の父親に比べて租税負担能力が低いか否かが重要な争点である。原判決は,所得が500万円を超える母子世帯の母親の租税負担能力が低い理由として,以下のように判示している。

「所得が500万円を超える世帯に限ってみても,父子世帯の父親と母子世帯の母親との間には平均収入額の点で相当程度の差異が存在するものといえる。そして,このように男女間で平均収入額に相当の差異があることを照らすと,偶々,課税の前年において,500万円を超える同程度の所得のある男性と女性を想定した場合に,500万円を超える所得を得るに至るまでの年数や,一旦500万円を超える所得を得た後にこれを維持することができる年数には,男女間で相当の差異があるものと合理的に推認することができる。」

平均収入額の差異については,その結論を導いた甲12号証から母子世帯の母親の平均収入額が低いことと解されたので,控訴人は控訴理由書で500万円を超える母子世帯の母親の平均収入額は父子世帯の父親に比べて低くないことを立証した。そのため,「偶々,」以下の推認は根拠を失っているが,それでも被控訴人は同判示後半部を引用し,所得500万円を超える母子世帯の母親の租税負担能力が低いと主張している。

そこで,「偶々,」以下の判示を引用し,認定は合理的だと主張する被控訴人に,以下の点について釈明を求める。

(1) 500万円を超える同程度の所得として,仮に600万円と想定した場合,前年600万円の所得のある男性と女性が,500万円を超える所得を得るに至るまでの年数と,一旦500万円を超える所得を得た後にこれを維持することができる年数を試算し,根拠と計算式,その他の前提事項とともに提示されたい。

また,答弁書7頁16行目に,

「原判決は,甲12号証において,収入500万円以上のものであっても,女性については,収入999万円までの範囲の中に収まってしまう(収入500万円以上の者のうちの約96%がここに含まれる。)ことから,所得500万円の女性であっても,ここに至るまでに時間を要すること,あるいは,同金額の所得を継続することについて,男女間に差があることを認定しているのであって・・」

と主張している。しかし原判決ではそのような理由付けを判示しておらず,また以下の点が不明瞭なので釈明を求める。

(2) 原判決では999万円を境にした評価をしていないが,被控訴人は,なにゆえ999万円を基準としたのかを明らかにされたい。

(3) 答弁書9頁20行目の「高所得者の割合」というのは,所得500万円以上の者のうち999万円以上の収入を得ている者の割合と解釈してよいのか明らかにされたい。

 

以上