非婚ひとり親家庭のためにも
非婚ひとり親家庭のみなし寡夫については認めている自治体が増えてきています。そういった自治体では、国に対して税法の見直しを求める意見書を出しています。
国会の議事録で登場することはあって、議論するといいながら、二十八年度税制改正でも、二十九年度税制改正でも変わることはありませんでした。厚生労働省からの三十年度税制改正要望にもあがってきていません。
自治体の意見書は法的拘束力がありません。寡夫控除の問題もそうですが、税収が減ることを恐れ、時間稼ぎしているようにも見えます。
合憲性推定の原則という言葉があります。民意が反映された国会で作られた法律は合憲であると考え、不具合があったら法改正で対応していくものなんだそうです。いつかは改正されるかもしれませんが、それで救われるのはこれからひとり親になる未来の不利益です。合憲性推定原則では、今ある不利益は解消してくれません。
もし、寡夫控除の差別が違憲だという判決が出たとしたら、寡夫控除の問題は法律改正で解決するでしょう。その時には、非婚寡婦(寡夫)差別も一緒に改正される可能性が高いと考えます。
未婚ひとり親家庭のためにも頑張らないとね。
年間約20万円の差!
壁の話を書きましたが、自分の場合はどうなのか無頓着だったので、高等学校等就学支援金について調べてみました。
おかげさま(?)で、私の所得は所得制限を超えているので三男の高校の授業料は支払っています。
よくみかけるように910万円を超えてると貰えないって言うので、寡婦控除相当の26万円の所得控除では影響しないなぁと思っていました。
もっとも910万円というのは、モデルケースで、厳密には所得割額ってのが304,200円以上だと貰えないようになっています。
私の場合、304,200円は超えているのですが、そんなに大きく超えているわけではありません。もしかしたらと思い、自分で計算してみました。
初めて知ったのですが、特定扶養控除ってのがあるんですね。大学生等を扶養していると控除が大きいのです。3人の子供のうち、上の2人が該当します。
そこに寡婦控除に相当する26万円を控除してみると、なんと304,200円を下回りました。
もし裁判で勝ったら、払った授業料が返ってきますね。法律上、遡求申請ができるのかを調べてみたら、【やむを得ない事情が解消してから15日以内に申請すればいい】と書いてあったので、その時は忘れないようにしましょう。
もし、私が女性だとしたら、寡婦控除が適用されて、所得税が約62,100円、住民税が約26,000円、高校授業料が118,800円安くなります。
合計すると年間約20万円の差になりますね。
これがシンママとシンパパの差です。
年間20万円は小さくないです。
これでも裁判所は、著しく不合理とは言えないって言うのでしょうか。
壁の話
通常、壁は乗り越えるものですが、超えないほうが賢いといわれる壁の話です。
103万円の壁とか、130万円の壁とかありますよね。こういうのって仕事意欲がそがれるし、よくない制度だと思います。頑張れば頑張っただけ報われるのがいいと思うのです。
寡夫控除も500万円の壁があります。所得にすると688万円だったかな。更に、900万円ぐらいに児童手当の壁や、高校就学支援金の壁もあります。
もともと累進課税制度で高所得の人はたくさん税金を払っているわけですが、高所得者を狙う制度は、累進課税制度に一本化してもらえれば、なんとかの壁とかなくなると思うんですよね。
以前こんなことがありました。
お仕事を頑張ってたら年末に会社から表彰されて5万円の賞金をいただきました。そしたら年収が児童手当ての所得制限を越えたので、翌年24万円の手当てがなくなりました。笑うしかないですが、こんな残念なことがあるんです。
税金の制度は、富の再配分なので、仕方ないことなのですが、結果的に収入が逆転する所得制限の壁だけは、やめてもらいたいですね。
頑張った自分より頑張らなかった自分のほうが収入がいいなんてことになったら切ないですから。